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[ インタビュアー ]
大塚千春先生
  英語トレーニングで授業改善を進める先生方に、APETで講師を担当する大塚千春先生がインタビューしました。

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第50回 少しでも、いい授業を!
    〜 新任先生 奮闘記 関東地方 高等学校 lunchbox 先生
記念すべき第50回のインタビューにご登場いただくのは、
ペンネーム lunchbox先生です。

lunchbox先生は、関東地方にある私立高校で
昨年4月から、英語教員としてのキャリアをスタートされました。
ICCの英語教員向けセミナー「APET」には、
昨年のゴールデンウィークに、初めてご参加。

インタビューでは、新任ならではの視点で、
英語教員を目指された経緯、
最近の授業の様子などをお聞きすることができました。

つい最近まで(?)高校生だったlunchbox先生の
学生時代のエピソードを聞いていると、
生徒が英語の先生をどんな視点で見ているか
感じさせられ、ついドキッとしてしまいます。

それでは、前半のスタートです。

(大塚) 先生は、今年新任でいらっしゃいますよね?
   
(lunchbox)

はい、私立高校に勤務して、約10ヶ月になります。
私の勤務校は比較的新しく、文武両道を目指す学校です。
生徒の面倒見がとても良い学校ですね。

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(大塚) 生徒さんの様子はいかがでしょう?    
(lunchbox) そうですね、生徒のレベルは様々で、
1年目の私にとってはかなり勉強になり、
良い経験をさせてもらっています。
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(大塚) 4月に着任されて教員としてのスタートはいかがでしたか?    
(lunchbox) 着任当初から、経験に関係なく、
授業もベテランの先生方と同じように持っていました。
始めは、訳も分からずに、日々が過ぎていったのを覚えています。

勤務先は私立高校ですが、
初任者研修が充実している県立とは違い、
残念ながら、研修の機会がほとんどないんです。
以前から、研修は自発的に参加する必要性があると感じていました。

「生徒に教員は選べない。
彼らの一生に一度の高校生活という貴重な時間に携わっているのだから、
少しでも良いものを・・・!」と思い、
インターネットで検索し、ヒットしたのがICCだったんです。

その時、迷わず即座に参加を決めました。
去年の、5月のことでした。
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(大塚) 奮闘されている様子が、伝わってきます。
先生はどんな経緯で、英語教員を目指されたんですか?
   
(lunchbox) うーん、振り返ってみると、
私は小さい頃からスポーツが好きで、英語とはあまり縁がなく、
高校生まではスポーツ一筋の人生を送り、
インターハイなどの全国大会にも、出場しました。

高校時代は競技生活中心で終えて、
その後、大学では、主にビジネスについて学びました。
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(大塚) そうでしたか。
学生時代は、英語、お得意だったんですか?
   
(lunchbox) それが、実は中学校までは英語が大嫌いで、
テストの点数は、いつも最低でした。

高校では、持ち前の根気強さで学校の成績はキープしていましたが、
大学に入学するまで、勉強とは無縁の生活でしたね。

競技から離れ大学に入学した後は、体験すること全てが新鮮でした。
それまでは授業、文化祭、修学旅行等の学校行事にはとことん欠席、
恋愛はもちろん禁止、そして365日練習の毎日でしたので、
自分の時間がなかなか持てていなかったんですね。

思えば高校3年間、私服を着たことも、買ったことも無かったので、
大学に入った当時は洋服選びに大変でした(笑)。
高校時代、友達から
「lunchboxさんって休み時間だけ起きてるよね」と言われるくらい、
毎日7時間授業に、どうしても耐えられませんでした。

今思うと、先生には申し訳ないのですが、
授業中が体の回復時間だったのかもしれません。
でも、そんな私も英語の授業だけは決して眠ることがありませんでした。
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(大塚) 英語の授業だけ、というのはなぜ?    
(lunchbox) やはり、先生のおかげ、ですね(笑)。
私の先生は、当時、少しタバコの香りがする、
カマキリのような鋭い目つきをした、口が達者のベテランの先生でした。
いつも棒を持ち歩き、そして授業中にそれを振り回していたので、
私を含め、生徒もかなり怯えていたと思います。
今となれば、それも先生の演技だったと思いますが(笑)。
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(大塚) 英語の先生、かなり戦略的な先生だったようですね!
   
(lunchbox) そうなんです。
授業中に、いつも私を集中的に指名するんですよ。
きっと、私を眠らせないための策略だったのでしょう・・・。

また、英語の知識がかなり豊富な先生でしたね。
生徒の前では意地悪な先生も、
授業後の私の質問には丁寧に答えてくれたり、
部活と勉強の両立を褒めてくれたり、本当に大好きな先生でした。

当時、親元を離れチームメイトと生活をし、精神的にも辛い時期があったので、
私にとってこの先生は父親的存在でしたね。
競技を辞める苦渋の決断をし、大学進学を勧めてくれたのもこの先生でした。
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(大塚) その先生との出会いが、lunchbox先生にとって大きな転機だったんですね。    
(lunchbox) 大学では、「英語だけは頑張りたい!」と思っていました。
運良くプレイスメントでトップのクラスに入りましたが、
周囲は英語圏に留学経験があったり、資格を持っている人ばかり。
私はまったく話せない、聞けない状態でしたが、
競技生活を通じて、逆境には強くなっていましたので、
正直、逆に燃えましたね(笑)。

当時は、とにかく、英語がうまくなりたい、
今までお世話になった先生方や家族に何か恩返しがしたい、と
思っていました。
長期休みには、英語の集中講座を必ず受講したり、
短期留学をしたり、いろいろと学んでいました。

そういえば、こんなこともありました。
1年の頃、寮でいっしょだったケニアからの陸上の留学生2人と
とても仲良くなって、毎日行動を共にしていました。

彼女たちを見習って、毎朝1時間半のジョギングをし、
時に一緒に走ったりしましたね(今の体力では、到底無理でしょう・・・)。
互いに英語は母国語ではないけれど、何か通じるものがあり、
異国の文化のおもしろさなど、色々と学びましたね。
こういった交流も、英語学習の刺激になりました。
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(大塚) 大学時代にも、人生の転機となるアドバイスを
当時の英語の先生にいただいたそうですね。
そのあたりは、インタビューの後半でお聞きしたいと思います!

ちょっと話題を変えてお聞きしますが、
新任のlunchbox先生から見たAPETは、
どんな印象だったんでしょう?
   
(lunchbox) APETに初めて参加した時は、衝撃を覚えました。
教員歴ほぼゼロの私にとっては、
聞くこと、体験すること全てが新鮮・感動的で、
「日本にはこんなに素敵で実力のある先生方がいるんだ。
すごいなあ・・・!」の一言でした。

大学で教職の知識は既に学習していましたが、
それは本当に一部分だったんだな、と実感しました。

教員としての経験が浅い私にとっても、又ベテランの先生であっても、
APETでは多くの事が学べると思いました。
だからこそ、リピーターが多いのですね。私も、その一人になりつつあります。
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(大塚) うれしいですね。研修で大切なのは、
「学んだことをどうやって自分の授業に取り入れるか?」ですが、
lunchbox先生は、どんなことを意識されてますか?
   
(lunchbox) そうですね、強いて言うとするならば、
APETで学んだ内容は、自分が授業で使用している教材と見比べて、
可能な時は、必ず授業で試していますね。
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(大塚) インタビュー前半ではAPETで学んだことを授業で活かすコツとして、
「可能な限り、学んだことを必ず試す」ことを挙げていただきました。
他に、意識されていることは?
   
(lunchbox) ちょっと細かいことですが、
APETでもらった資料はきちんとファイルし、
特に授業に行き詰まりを感じたときに、見直すようにしています。
何度かパラパラと見ているうちに、以前APETで習ったことが、
解決に役立ったりすることが多々あるんですよね。

そうやって見返しているAPETのファイルは、
「少しでもいい授業を!」と誓った初心を、思い出させてくれます。
私にとっては聖書のようなものですね。(笑)
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(大塚) 授業に様々な工夫をするにあたって
“戻るところがある”って、大切なことだと思いますよ。
APETに限らず、研修や授業見学で学び取ったことは、
1冊のノートやファイルにまとめ、
折を見て、読み返す習慣をつけるといいですよね。
学んだことを、行動に移しやすくなりますから。

今後は、授業でどのあたりを意識していきたいですか?
   
(lunchbox) そうですね、自分の授業を振り返ると、
受験を意識した学年の授業はやはり受験指導に偏りがちで、
正直、APETで学んだことを活かし切れているとはまだまだ言えません。
このあたりは、今後の課題だと思いますね。

ただ最近は、受験テクニックを教えることは大切であるけれども、
そればかりでは真の英語力がつくわけではないと感じ始めています。

授業をもう一度見直し、APETで学んだようなトレーニングを
授業中に行っていかないと、
ただでさえ学習時間に限りがある生徒の英語の実力を
伸ばす手助けをすることは困難なのでは・・・」と考えています。

なので、まずは受験対策をしつつも、
授業を少しずつinteractiveな方向に変えていきたいですね。

それ以上の事をするにはもっと経験と知識を得てからになると思いますが、
今出来ることだけでも、目の前の課題に
しっかりと取り組んでいきたいと考えています。
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(大塚) ここで、話を先生の学生時代に戻しますが、
学生時代に英語の先生のアドバイスに
いろいろと刺激を受けられたそうですね?
   
(lunchbox) はい。大学では、ビジネスを専攻していましたが、
大学2年に進級する際に、私の専門とは関係ない
他学科の英語教育関係のゼミに入りました。
その先生に、かなり刺激を受けましたね。
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(大塚) ゼミではどんなことを?    
(lunchbox) 洋画の吹き替えを自分たちだけでやってみたり、
そのゼミではいい経験をたくさんさせてもらいました。
ゼミの先生に、大学3年になる直前にオフィスに呼ばれました。

当時、高校時代とは違う運動部に入り、燃えていた私に
先生は、こう仰ったんです。

「あなたは部活と勉強の両立に頑張っているけれど、
そろそろ自分の進路を考えたらどうかしら?
スポーツでプロにならないのであれば、
英語にもっと力を入れてみたらいいのでは?」

私は、ハッとさせられました。
先生のアドバイスに「ごもっとも!」と思い、
波に乗っていた部活生活にもピリオドを打ち、
大学3年の夏から7ヶ月間、アメリカへの中期留学を決意しました。

留学先では「7ヶ月間、絶対に日本語は使わない!」と決意し、
貫きました。日本にいる親や友達にも英語でメールや電話をする
といった感じで、かなり、こだわりました(笑)。
7ヶ月間、紆余曲折ありましたが、毎日ほぼ徹夜で必死に勉強しましたね。
今思うと人生の中で一番勉強をしたのがその時期でしたし、
この経験は、今とても役に立っていると思います。
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(大塚) その留学へ決意を固めさせてくれたのは、
ゼミの英語の先生だったんですね。
   
(lunchbox) はい、卒業前には、就職か、進学か色々と悩みましたが、
子どもと英語、両方大好きだった私は、
前々から憧れていた「英語教員」としての道を歩むことに決めましたから。
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(大塚) やはり、先生の言葉は生徒に強い影響を与えるんですね。
先生の今後の目標を、教えてください。
   
(lunchbox) はい、私は本当に好奇心旺盛で、
悪く言えば少々欲張りなのですが、これからやりたいことが沢山あります!
ただ、私自身のキャリアについて考えると、
「自分は教員に本当に向いているのだろうか?」と、
日々疑問に思うこともあります。

でも今は、自分の夢よりも、一人でも多くの生徒を笑顔に出来るように、
さらに、彼らの夢を、少しでも後押しできるようになりたいです。
特に、今年は沢山の生徒の嬉しい顔が見たいと思っています。

そのためには、しっかりした教科指導が出来ることも
ますます重要になってくるでしょう。

普段の授業の工夫、
教材や大学入試問題の研究、
良い教材を提示出来る能力、
生徒と触れ合う時間を大切にできるか?
英語学習者の先輩として良いアドバイスができるか?などなど、
課題は、とても多いです。

時間はかかると思いますが、まずはそういった目の前にある問題から
ひとつひとつ取り組み、解決していきたいです。
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(大塚) 先生の前向きなお姿、
高校時代や大学時代の、刺激を与えてくれた先生方も
嬉しいでしょうね!

それから、目の前のことにひとつひとつ取り組む意識、
これは大切ですよね。

私も、APETの時によくお伝えするのですが、
いろいろな問題に対して、「いきなり、全部変えよう!」と意気込むと、
生徒さんが「先生どうしたの?」と、ビックリしちゃいますよ、と(笑)。
   
(lunchbox) あんまり変わりすぎて、ということですか?
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(大塚) はい。「ひとつずつ挑戦して、うまく行かなかったら軌道修正」というくらいの
気持ちで取り組んだほうが、最終的に
いい方向へ向かうことが多いようですね。
ひとつずつ、挑戦し続ける先生は、強いです。
lunchbox先生も、ぜひ挑戦し続けてくださいね。

最後に、全国の先生方にメッセージをお願いします。
   
(lunchbox) 先生方には、まず健康に十分注意を払い、
元気な顔を、生徒さんに見せていただきたいと願うばかりです。
(インフルエンザが流行っているこの時期ですから…)

私は教員2年目になるところですが、
想像していた以上に、教員という職業は複雑で、
決して楽ではないと感じています。

ただ、そんな中で日々奮闘し、
頑張っている先生方の努力があるからこそ、
日本の教育、英語教育に関して言えば
私が学生時代だった頃よりもだいぶ良くなってきていると思います。

私もいつか、そんな先生方の仲間になって力を発揮できるよう、
一生懸命がんばりたいです。
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(大塚) lunchbox先生、ありがとうございました。    
       

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